
記
始めに |
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プロフィールには、社会人としての経歴を記してあるが、もう少しプラ
イベートな内容を記して建築空間のみならず自らの考え方について、
説明を試みたい。
建築を真剣に考え始めたのは、大学卒業まじかになってからだっ
た。 建築について、というよりは自分自身に対して疑問を感じ、もう少
し考える時間が欲しくなり、卒業後、建築芸術論を専門としている井
上充夫教授にお願いして、研究室に身を寄せさせてもらった。面接の
折に教授に自らの疑問点など取り止めのない話をしたが、後日教授
より与えられた研究テーマは「ルネサンスにおける建築と彫刻の相互
関係に関する研究」(ミケランジェロを中心として)であった。
テーマと共に1冊の本を手渡された。ヴェルフリンの「美術史の基礎
概念」の原書で、ドイツ語で書いてあるのだが、これが全く読めなく
て、2ヶ月位後に今度はこれの日本語の翻訳本を渡された。これで読
めるかと思ったが、日本語になっても同じで、やはり一日2〜3頁しか
進まなかった。例に挙げられた絵画や彫刻の写真を求めて図書館と
の往復が一日のほとんどを占めていた。文字で綴られた歴史とは異
なった歴史を求めていたから、読み終わった時は目が覚める思いで
あった。
座右の書は何かと聞かれればこの一冊だろう。この本は絶版となり、
今手元には画質の悪い英語版しかない。古本屋で見つけた人もいる
のだが、不幸にして自分はまだ見つけられないでいる。これほどの名
著が絶版のままで翻訳されずにいるのは不思議である。
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「美術史の基礎概念」について |
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ハインリッヒ ヴェルフリン(1864〜1945)による二十世紀初頭の論文で
ある。
ルネサンスとバロックの芸術作品を比較し、その違いを絵画を中心に
下記に示す五組の対概念について論じ、同様の違いが彫刻、建築に
もに見られるということを論じたものである。
1.線画的と彩画的
2.平面的と奥行き的
3.閉ざされた形式と開かれた形式
4.多数性と統一性
5.明瞭性と不明瞭性
−−−井上充夫先生の「建築美論の歩み」での訳
どれも似たような物に思えるが、切り口に明確な言葉を与えることに
よって、漠然と捕らえていたものの「見方」の違いをはっきりさせ、そ
れぞれの時代の持つ特色を明確にしている。
デユーラーとレンブラントの絵画の比較がもっともわかりやすいと思
う。
ヴェルフリンの流れを汲む学者はパウル・フランクル、ジークフリート・
ギーディオン、ジオフリー・スコット等がいる。
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「近代建築の発展の諸段階」について |
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工事中 |
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「日本建築の空間」について |
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